おほもと(みろくのよ)

おほもと(みろくのよ)

タイトルおほもと
団体名大本
所在地京都府綾部市、京都府亀岡市
創刊年1956年
種別月刊

【主な内容構成】

 大本は出口なおが1892年に神がかりしたことをもって開教とする神道系の新宗教教団である。1899年に出口王仁三郎が合流し、なおの「お筆先」と王仁三郎の霊学を両輪とする教団の体制が整う。本田親徳を由来とする鎮魂帰神行法や、昭和神聖会などの政治的活動で近代日本社会の耳目を集めたが、2度にわたって国家から弾圧を受けて教団機構が解体される。戦後、大赦令によって王仁三郎が保釈され、「愛善苑」という名で再発足した。
 本誌は、第二次大本事件前の1909年に『直霊軍』という名で刊行され、『敷島新報』→『神霊界』→『神の国』と改題された。戦後1949年、再発足を機に『海潮』という名で創刊された雑誌を前身とし、再び『神の国』(1950年)と改題され、『おほもと』(1956年)→『みろくのよ』(2012年)と何度も誌名を変えて現在に至る。巻頭のグラビアには教団行事の様子や、歴代教主による美術作品などが掲載されている。そして、なおが書いた「お筆先」に漢字を充てるなどして整理した教典『おほともしんゆ』と歴代教主が残した言葉が毎号掲載され、以後のページには大本の教義に関することや信者の活動記録や、教団の基本方針であるエスペラントや芸術、教団史に関する話題が多くを占める。現在ではほとんど見られないが、死者の霊を大本式で祀る「みたままつり」を実践したことによって、病気の治癒や家庭内不和の解消につながったとする「ご神徳」がつづられることもあった。
 一方、政治や社会問題について踏み込んだ議論・活動が取り上げられることもある。たとえば平和運動を盛んに行っていた1962年ごろは日本国憲法に関する記事が多数確認でき、同年151号「なぜ憲法は守らねばならないのか」、154号「大本教義と平和憲法」などのタイトルで教団幹部による座談会や論説が掲載されている。また1990年代以降は、生命倫理に関連して脳死臓器移植や死刑制度へ反対する特集がたびたび組まれている。
 全体として教義の神学論をあまり前面に出さず、もっぱら信仰生活とつながる話題が中心で、一般信者に読みやすい構成となっている。
【梶龍輔】2024年11月

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