グラフ新天地
タイトル | グラフ新天地 |
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団体名 | 世界平和統一家庭連合(通称・統一教会) |
所在地 | 東京都渋谷区 |
創刊年 | 2000 |
種別 | 月刊誌(第三種郵便物) |
【主な内容構成】
本誌は日本の統一教会が創立40周年を期に、前項「新天地」をカラー写真による30頁弱のグラフ誌に新装したものだが、旧誌に比べ内容も大きく変化した。日本の統一教会の紹介よりも韓国、アメリカ、日本を中心に、文鮮明・韓鶴子教祖夫妻を先頭としたグローバルな統一教会の活動紹介となっている。
以下、主な特徴を挙げる。
①大がかりなイベントの紹介によって、文鮮明と統一教会がいかに世界的に宗教指導者、政治家、学者に支持されているかを誇示する。大イベントには合同結婚(祝福)が含まれる。その象徴が2005年9月創設の友好団体「天宙平和連合(UPF)」である(2006年3月号に詳報)。なお、2022年7月の安倍晋三元首相事件の犯人は、コロナ禍の前年7月、UPFのオンライン集会に安倍がリモート登壇したのを見て、殺害を決意したといわれる。
➁統一教会に賛同する政治家は元国家的指導者から地域リーダーに及び、クリスチャンでは文鮮明を「再臨主」と言明する牧師もいる。統一教会シンパの彼らの多くは「平和大使」に任命される。日本も例外ではないが、一部の政治家を除き、名前は明記されない。
➂文鮮明教祖夫妻の多くの紹介とともに、長男顕進ら後継者と目された子弟たちの指導者ぶりが報じられている。ただ、2012年の文教祖死後に長男らは離反、分派し、韓鶴子が教団を指揮。
④21世紀に入り、韓国の聖地清平(チョンピョン)の施設や大学・学校の整備が進んだ。その代表が天正宮博物館である(2006年7月号に大特集)。
⑤日本の統一教会特集(2000年1月号「40周年」、2009年5月号)をはじめとする同教会の紹介。統一慰霊祭などの年中行事、国際結婚の信徒家庭や2世の青年、子供たちの様子の紹介がある。
⑥教義の様々な解説と右派的政治論。先祖の因縁を強調し「霊感商法」で用いられる統一教会独特の「霊界話」についての記事、漫画「天国道場」(2004年1月号~2005年12月号)が目につく。
なお、「霊感商法」は1980年代から問題になっていたが、2007年から全国で逮捕が相次ぎ、2009年には「新世」事件で渋谷教会などに警察の強制捜査が入った。逮捕・起訴された信徒たちは有罪。本誌の最終号(2009年7月号)は「道義的責任をとる」と徳野英治会長の辞任と声明を掲載した(被害者の弁護士たちは、「霊感商法」被害が継続しているとの声明を2023年に出した)。
【藤田庄市】2024年11月