仏教保育カリキュラム

仏教保育カリキュラム

タイトル仏教保育カリキュラム
団体名日本仏教保育協会
所在地東京都港区
創刊年1968年
種別月刊誌

【主な内容構成】

 『仏教保育カリキュラム』は公益財団法人日本仏教保育協会が刊行する、仏教保育に関わる教職員を対象とした研究誌である。同協会が発行する他の冊子として、園長・教職員対象の機関紙『仏教保育』と、保護者向けの『ほとけの子』などがある。
 特定のテーマに関する識者の連載、保育資料、絵本紹介のほか、季節ごとの保育カリキュラム案が掲載される。
 仏教保育者向けのものであるので、当然ながらいずれも仏教の教えを基としたものである。4月の花まつりでは、念珠の扱い方や礼拝の仕方を確認し、子どもたちが心を込めて合掌できるように環境を整えていくこと、釈迦の生誕をお祝いすることを通じて仏教に親しめるように導いていくことなどが記される。涅槃会のある2月では、子どもたちが命の大切さに気づけるようわかり易く話し、釈迦の教えを身近なものにつなげていくための環境の構成と指導のための留意点が提示される。また年間を通じた仏教保育計画として、月ごとの徳目と解説も示される。例えば、5月の徳目「持戒和合」から「約束を守ることは社会生活の第一歩であり、それをもとにして集団の秩序が保たれる。社会生活の第一歩である園生活を楽しいものにしよう。」という保育目標が掲げられ、決まりを守って集団生活を楽しむように導いていくための援助と配慮のあり方が、子どもの年齢ごとに具体的に提示される。
 幼保施設において私立が占める割合は高く、その中でも宗教法人が運営・関連する園は少なくない。乳幼児教育について考える際、その一角を占める仏教園が目指す教育・保育を知ることは重要だろう。日本仏教保育協会は、仏教に基づいた保育の充実と仏教保育の促進を目的とし、仏教系幼稚園・保育園及び養成機関の全国組織として1929年、御大典記念事業として発足した。長い歴史を誇る同協会が発行する『仏教保育カリキュラム』は、宗教者の社会実践、宗教と教育、乳幼児教育の具体例として優れた資料であるといえよう。
【丹羽宣子】2024年11月

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