建仁寺派宗報

建仁寺派宗報

タイトル建仁寺派宗報
団体名念法眞教
所在地都市東山区
創刊年??
種別年2回刊

【主な内容構成】

 臨済宗建仁寺派は伝統仏教系の臨済宗14派の内の一つで1876年に東山建仁寺を大本山として独立した。建仁寺は1202年に開山を明庵栄西、開基を源頼家として建立された。開山当初は天台・密教・禅の三宗兼学であったが、1259年以降に第11世・蘭渓道隆の働きにより禅が盛んになった。『建仁寺派宗報』は建仁寺派の各末寺向けの宗報である。臨済宗においては嗣法(伝灯)が重視され、嗣法を認められた師家(老師)やその中から選ばれる宗門行政の主権者である管長が権威をもつ。建仁寺派もその例外ではない。
 最初のページには管長筆の禅語や法語・香語と管長の動向が掲載され、正月発刊の号には新年の挨拶がそれに加わる。法語や香語は七言絶句の形式をとり、祖師らの逸話などを盛り込むことで教示が与えられる。それに続き、宗務総長など大本山の人事情報も稀に差し挟まれる。そしてそのあとには「宗務日誌抜粋」が続き、日付とともに大本山で行われた法要や儀礼、行事などが簡潔に記される。事務的な手続きや例会、イベントなどの情報が提示される一方、「十五日 解制祝聖引続き山門施餓鬼了而祖塔諷経」のように禅堂修行をした僧侶でなければ解読し難い文面が並ぶ。それに続き「録事」として同派の宗務本院からの布告・達示として人事や訃報(遷化)が報告される。刊によってはここに「教区だより」が挟まれ、大本山以外の末寺で催された法要や式典の様子、詠まれた漢詩などが記載される。編集後記として今後の予定などが簡単に記されたのち、最後に決算の開示をもって閉じられる。
 管長の禅語に始まり、宗派行政が臨済宗独自の語法や用語を用いて書かれており、宗派の格式に則った僧侶のための冊子となっている。また教義を語るコラムのようなものはなく、純粋な報告書的な役割を担っている。
【東島宗孝】2024年11月

教団刊行物デジタル事典のトップページに戻る