新天地

新天地

タイトル新天地
団体名世界平和統一家庭連合(通称・統一教会)
所在地東京都渋谷区
創刊年1972年
種別月刊誌(第三種郵便物)

【主な内容構成】

 世界平和統一家庭連合は「統一教会」で知られる韓国発祥のキリスト教系新宗教。1954年に文鮮明(1920~2012)によって創立され、日本の統一教会は59年に設立された。本誌は教団の思想、活動、文鮮明教祖の神格化の過程などの諸側面が反映されており、また関連団体である世界平和教授アカデミーの大学教授をはじめ、各界有名人の協力ぶりがページを構成する。
 以下、主な特徴を挙げる。
①60年代前半の初期教団の活動が、80年前後の同誌の女性幹部達の回顧録でわかる。日本に伝道した崔翔翊(西川勝)の言動、最初の40日修練会の参加者の多くが立正佼成会の青年信者だったこと、キリスト者に対する布教とトラブルなど。
➁教団が最も重視する「合同結婚(祝福)」式の変遷が読み取れる。1992年からは「世界文化体育大典」と称して、合同結婚式とともに各種関連団体の諸行事が企画された。文鮮明教祖の「メシア(再臨主)宣言」も行われた。なお1992年はタレントの桜田淳子らが参加して、ワイドショー、週刊誌で騒がれた。関連として、国際結婚した信者カップルの紹介。
➂教団系の各種事業、企業の記事から経済活動がわかる。1987年の日韓トンネル(国際ハイウエイプロジェクト)の起工式特集では教団外協力者とのつながりが見える
④文化、教育、政治などの関連団体の社会への浸透ぶりの状況。
⑤アメリカ宗教界への働きかけと協力した多数のキリスト教聖職者の様子。
⑥海外伝道に派遣された日本人信者の活動。
⑦90年代に入ると信者の子弟(2世)関連記事が登場する
⑧ソ連崩壊直後の90年代初頭、教団は反共姿勢から転じロシアや北朝鮮の金日成との交流を行った。
 なお教団は、60年代後半の「親泣かせの原理運動」、80年代から「霊感商法」、90年代には「合同結婚(韓国人をはじめ国際結婚多数)」の社会的批判が続いた。さらに韓国本部への巨額献金問題、また「勝共連合」による右派政治勢力と結びつきが社会的に問題視された(それらは2023年の安倍晋三元首相狙撃殺害事件後あらためて浮上)。そうした歴史的事象を踏まえて読むといっそう興味深いであろう。
【藤田庄市】2024年11月

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