春日

春日

タイトル春日
団体名春日大社
所在地奈良県春日野町
創刊年1967年
種別年2回

【主な内容構成】

 奈良の春日大社は、鎌倉初期に成立した当社の『古社記』によると、奈良時代の神護景雲2(西暦768)年、称徳天皇の勅命を受けて鹿島の武甕槌命(タケミカヅチノミコト)を三笠山に遷し、香取の経津主命(フツヌシノミコト)並びに平岡の天児屋根命(アメノコヤネノミコト)と比売神(ヒメガミ)を併せ、同年11月9日にそれぞれの神殿を造営したことに始まる。中世から藤原氏の氏神社として、あるいは春日信仰の中心地として隆盛してきた春日大社の名は、三大勅祭に数えられる春日祭(かすがさい)、国の重要無形民俗文化財に指定されている若宮(わかみや)おん祭(まつり)、約20年毎に社殿を建て替える式年造替(しきねんぞうたい)などで現在も全国に知られる。
 社報『春日』の創刊は1967年3月31日。鎮座1,200周年の前年にあたる。B5版計18頁の創刊号には中門と三条實春宮司の白黒写真が載せられている。現在の『春日』の原型は第7号にみることができる。三条宮司の平安神宮転出のため赴任した花山院親忠宮司は、時代に合わせた「お洒落」を考慮して、社報の表題を『かすが』から『春日』に改め、表紙と裏表紙にカラー写真を用いた。その後は表紙と裏表紙以外にも二色刷りやカラーの頁が次第に増えてゆく。頁数は当初は毎号20頁前後で推移してたが、これも次第に増量してゆく。
 現在の『春日』は毎号40頁程度で刊行頻度は年2回。表紙には春日大社に縁ある施設や行事のカラー写真が掲載され、花山院弘匡宮司の見開きの挨拶文が冒頭を飾る。しばしば特集が組まれ、例えば2019年の第102号には「天皇陛下御即位」、2020年の第104号には「疫病鎮静祈願」の特集がある。その後は関連する行事や団体の活動報告が写真付きで並ぶ。藤原氏の末裔が集う「藤裔会」、全国の春日社を統括する「全国春日連合会」などに並び、聖獣とされる鹿を保護育成する「奈良の鹿愛護会」の活動報告も近頃は定番になっている。
【田中浩喜】2024年11月

教団刊行物デジタル事典のトップページに戻る