曹洞宗報
タイトル | 曹洞宗報 |
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団体名 | 曹洞宗 |
所在地 | 東京都港区 |
創刊年 | 1940年 |
種別 | 月1回 |
【主な内容構成】
『曹洞宗報』は曹洞宗の宗務行政を司る曹洞宗宗務庁が発行する機関誌である。その前身は、近代に曹洞宗宗務院が刊行していた『宗報』(1896年~1940年)と『曹洞宗社会課時報』(1938年~1940年)であり、1940年10月に2つの機関誌を合体して現在の『曹洞宗報』となった。
本誌はおもに、宗門役員や住職の任命、寺院の新設や合併・統合、予算と決算、宗門規程の制定・変更、宗議会の会議録など、宗務行政における取り組みと決定事項で構成される。通常年2回行われる宗議会の詳報が掲載されると、300頁を超える大部なものとなることが多い。法人組織の公式情報以外では、宗門内の大きな行事の様子、海外寺院の活動、社会貢献活動、人権擁護の取り組みなどが紹介される。たとえば、カンボジア難民の救援を目的として1980年に設立された曹洞宗東南アジア難民救済会議の事業を引き継いだ「シャンティ国際ボランティア会」について、アジア諸国でのボランティア活動のほか、東日本大震災の被災者支援活動などが報告されている。また、曹洞宗では1978年から曹洞宗文化財調査委員会を設置し宗門寺院の所蔵する典籍や文書等を調査・撮影する事業を行っており、集めた資料の目録と解題が本誌に掲載される。表紙を飾る祖師たちの頂相(ちんぞう)や絵画は、同委員会が収集した資料から選んだものである。近年では、過疎地寺院の現状を伝える記事が目立ち、社会状況を背景とした寺院特有の問題を伝える媒体として参考にすることもできる。一方、宗門の情報と比べて檀信徒一般へ向けた情報にはあまり頁が割り振られていないため、本誌の目的は、包括関係にある寺院・僧侶に宗門活動を周知してもらうことにあるといえるだろう。
【梶龍輔】2024年11月