正法輪

正法輪

タイトル正法輪
団体名臨済宗妙心寺派
所在地京都市右京区
創刊年1961年
種別月刊誌(第三種郵便物)

【主な内容構成】

 臨済宗妙心寺派は伝統仏教系の臨済宗14派の一つで1876年に正法山妙心禅寺(妙心寺)を大本山として独立した。全国に末寺を持ち、現在では国内の臨済宗寺院の約6割にあたる3,333ヶ寺を所有する同宗最大の宗派である(令和2年度版宗教年鑑参照)。妙心寺は1342年に関山慧玄を開山、花園法皇を開基として建立された。花園大学や禅文化研究所を始めとする教育・研究機関の保持、1974年より花園会を中心として実施された「おかげさま運動」といった布教活動など大規模な活動を展開している。
 『正法輪』は1891年7月15日に創刊された宗務本所の機関紙である。創刊当初は本所の「私有物」ではなく「本派公共の機関紙」として正法輪協会から発行されていたが、1934年に本所の機関紙となった。現在のバックナンバーは戦後に同派が再度独立して以降のものである。
 号により扱われるトピックやその順番は不同であるが、①宗務総長の挨拶や重要式典の報告、②本山行事や宗務本所行事の報告、③連載や法話、④宣旨、布告、辞令、法階叙任⑨遷化が共通するトピックとなっている。連載は『夜船閑話』の解説や「妙心寺のあゆみ」のように妙心寺派やその宗旨への理解を促進するような題材が選ばれ、50号以上に及んで書かれるものもある。また、「禅塾通信」といった花園大や関連教育機関における教育活動や行事の報告など宗門経営以外にも手広く展開される妙心寺派の活動を知ることができる。
 重厚な分量の宗旨や歴史に関する連載や教育・研究機関をもつ妙心寺派ならではの活動報告などからは、同派の臨済宗内での立ち位置や活動方針が窺い知れる。また2010年以降は歳旦や法要の際の「法語」の掲示や宗務本所の連絡事項の拡充など構成に変化が見られ、様々な活動を網羅的かつ詳細に知ることが可能になった。同派の活動を俯瞰的に把握するには不可欠な資料といえよう。
【東島宗孝】2024年11月

教団刊行物デジタル事典のトップページに戻る