禅の友

禅の友

タイトル禅の友
団体名曹洞宗
所在地東京都港区
創刊年1955年
種別月1回

【主な内容構成】

 『禅の友』は曹洞宗の宗務行政を司る曹洞宗宗務庁が発行する機関誌である。その前身は、曹洞宗伝道協会が刊行していた『曹洞伝道』(1950年~1955年)であり、1955年6月から現在の誌名に改称し、刊行母体も曹洞宗宗務庁となった。ナンバリングは『曹洞伝道』から継続している(『禅の友』創刊号は66号)。 
 創刊時はタブロイド版の4ページであったが、1971年にB6版へ変更。その後2004年より、現在のサイズであるA5版に変わった。
 本誌はおもに、本山の近況や宗門の行事・イベント、仏教・禅宗の教理や恒例行事についての解説、著名な曹洞宗寺院の紹介、仏像・絵画・精進料理など広く仏教文化に関する説明、読者コーナーなどで構成される。たとえば毎号掲載される「禅のことば」というコーナーでは、経典や禅籍の言葉をわかりやすく解説している。また、盆や彼岸、墓参りなど一般檀信徒にとって身近な死者供養の歴史や意味、得度式、法戦式、晋山式など寺院特有の行事についての解説も随所に見られる。これらの解説は、曹洞宗関係者や宗門関係校の教員らが担うことが多い。宗教学の関連でいえば、宗教民俗学者・佐々木宏幹氏の手による「仏さまと日本人」(2016年1月号~2018年12月号)があり、これは民俗学の知見や自らの経験に基づいて、死者供養のほか花まつり、節句、正月、合掌、暦など日本人の生活と関連の深い行事や文化について記したエッセイである。近年では精進料理に頁を割く傾向が見られ、食事を含む日常生活すべてを「修行」と位置づける曹洞禅の教理を反映しているのかもしれない。
 一方、宗務行政や予算、教団が実施する社会活動など組織的な側面にはほとんど触れていない。上記の構成から、禅や仏教の教えをわかりやすく伝える伝道誌としての側面が本誌には見受けられる。そのため、本誌の読者層として想定されているのは僧侶よりも檀信徒を含めた社会一般の人々だろう。なお、本誌は駒澤大学構内のラックに配置されており、学内関係者なら誰でも無料で手にすることができる。
【梶龍輔】2024年11月

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