立正護法会報

立正護法会報

タイトル立正護法會報
団体名日蓮宗不受不施派
所在地岡山県北区
創刊年1949年頃
種別年3回刊

【主な内容構成】

 『立正護法會報』は、日蓮宗不受不施派の祖山である龍華山妙覚寺内に設立の「立正護法会」より発行されている。刊行は年3回(1~2月・4月・9~11月)、8頁程度の誌面構成が基本となっているが、祖山妙覚寺法主の遷化(第177号)など大きな出来事があった際には特別号も発行される。
 誌面内容は主に、①法要などの年中行事の広報、②行政・政治的な変革の告示、③信心を涵養するコンテンツの提供、などから成っている。
①宗祖日蓮の遠忌法要など、他の日蓮宗諸派でも同様に重視され行われている行事の報告のほか、入道得道式、定例宗議会、不受不施教学研究発表会など、不受不施派内で独立して行われる行事や会議の報告も含まれる。また、法主による法話や、各地の寺院・檀信徒による聖跡の団参報告も定期的に掲載され、不受不施派内の組織的な動向と、各地の寺院を含む全国的な動向の両方を把握することができる。
②決算報告や予算案、指定された宗宝一覧、宗門関係者(宗務所・寺院住職・総代・会員など)の名簿や、檀信徒の訃報、奉納一覧表や寄付者名簿などが含まれ、不受不施派組織内の行政的告示や、檀信徒の信仰圏や規模を知ることができる。
③不受不施派研究所による歴史調査や教学関連の研究報告、御遺文などの資料や法華経の説話を紹介するコラム、同派内の檀信徒各家庭における曼荼羅本尊の扱い方の案内、婦人会による精進料理のレシピ紹介、同派内の寺院紹介コーナーに至るまで、檀信徒を教化し信心を涵養する教学的・実践的なコンテンツが提供されている。
 以上の内容構成から、本誌は17の寺院と3つの教会、約3万人の信者(令和二年度版『宗教年鑑』参照)に向けた、不受不施派内の動向の告知と、信者の教化という機能を備えた機関誌であると位置づけられる。宗門関係者や檀信徒に向けた媒体であるというその特色から、仏教界全体の動向や超宗派の関わりを捉えるというよりはむしろ、不受不施派内部における動向、社会との関わりの把握といった点から活用することができる資料といえる。他の仏教宗派に比べ門派内の閉鎖性に特徴のある不受不施派の、現在までに至る様子を知りうる貴重な参考資料である。
【小高絢子】2024年11月

教団刊行物デジタル事典のトップページに戻る