花はちす
タイトル | 花はちす |
---|---|
団体名 | 全日本仏教尼僧法団 |
所在地 | 東京都新宿区 |
創刊年 | 1961年 |
種別 | 年2回刊 |
【主な内容構成】
1951年10月29日、全国より集まった各宗派の尼僧約300人の合同により、世界平和祈願・万国殉難者諸英霊の追悼大法要が東京・日比谷公会堂において施行された。この時に結成されたのが日本仏教尼僧法団である。翌1952年には関西尼僧法団、1953年には東海尼僧法団が結成されるなど、次々と各地に支部が結成されていく。そして1961年1月に財団法人設立の認可がおり「財団法人 全日本尼僧法団」が設立する。機関誌『花はちす』第1号はこの時に発刊された。なお2000年4月以降は「公益財団法人 全日本仏教尼僧法団」となっている。
団員の投稿、各支部の活動状況の紹介の他、年度事業報告や歳入報告のページがある。とりわけ昭和期の法団は各種慰問、難民救済義援、国際交流を積極的に行っていたため、その様子を伝える記事は多い。伊勢湾台風遭難者の追悼法要や、日米琉合同の沖縄戦没者慰霊法要、インド仏跡巡拝やハワイ仏教徒親善交歓の旅の様子などである。また台湾や韓国の尼僧との交流も盛んであったようで、懇談の様子や記念撮影写真も多く掲載される。ベトナム戦争によって難民となった子ども達への支援活動、アフリカ飢餓救済のための募金活動などにも熱心に取り組んでいることが記され、法団設立50周年と『花はちす』第200号が重なった特集号(2000年8月)では、国際連合難民高等弁務官や日本赤十字社から贈られた感謝状などが紹介されている。
1999年7月発行の第198号では理事長・副理事長名で、「団員の皆様に」として「尼僧の高齢化は申すまでもなく、年々団員数は減少しつつあります現実を無視することはできません」との危惧が表明されている。団員数の激減は紛れもない事実ではあるが、法団は現在も一般婦人および青少年の生活および人格向上をはかることを活動理念とし、社会福祉事業を行い仏教講座を開催している。本誌は仏教精神に基づいた尼僧たちの活動を知るための重要な資料である。
【丹羽宣子】2024年11月