*エマニュエル・トッド『シャルリとは誰か?』
| 記事年月 | 2016年1月-3月 |
|---|---|
| 号数 | 70 |
| 媒体 | 国外 |
| 大分類 | 【B-7. 西ヨーロッパ】 |
| 国名 | フランス |
| トピック | |
| 記事タイトル | *エマニュエル・トッド『シャルリとは誰か?』 |
| 本文テキスト | 『シャルリ・エブド』襲撃事件を受けて「私はシャルリ」と叫んだ人々は、言論の自由を守ろうとしたわけではない。1月20日に日本で出版されたエマニュエル・トッドの新著『シャルリとは誰か?』(文春新書)は、統計的手法を用いて「シャルリたち」の実態を解き明かす。デモが大規模だったのは、1960年代頃までカトリックの信仰が篤かった保守的な周辺地域であった。人が異教を排撃するのは、自らの宗教を熱烈に信じるからでも、ライシテ(世俗主義)を当然視するからでもなく、むしろ信仰を失いつつある時、失いきっていない時であると説明し、これをカトリック的なメンタリティを捨てきれない人々がその代替物を求める現象「ゾンビ・カトリシズム」と名付けた。そして、「シャルリたち」が、ドレフュス事件に代表される戦前のユダヤ人弾圧に熱狂的に加担した社会集団と重なりあうことを、危機感をあらわに指摘した(毎日2/21ほか)。 |