*ニソの杜、初の公的調査の報告書が完成
記事年月 | 2018年7月-9月 |
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号数 | 80 |
媒体 | 国内 |
大分類 | 【A-3.習俗・慰霊】 |
国名 | 日本 |
トピック | |
記事タイトル | *ニソの杜、初の公的調査の報告書が完成 |
本文テキスト | 福井県おおい町の大島半島を開拓した24家の先祖を祀る「ニソの杜」の習俗について、同町教育委員会は6月6日までに調査報告書を取りまとめた。ニソの杜の習俗は近年、後継者不足による衰退が懸念されており、これを背景に民俗学者らが2015年度から2017年度にかけて初めて公的な調査を行った。 ニソの杜は同半島の33ヶ所に点在しており、小さな祠を擁する杜もあるが、樹林だけの原初的な形態の杜もある。杜ごとに祀る世帯が決まっており、住民は毎年11月22、23日に赤飯などを供える祭祀を執り行う。祭祀当日以外は近寄ってはならない、祭祀の日も1人で森に立ち入ってはならないなどの禁忌が伝えられている。 今回完成した報告書のうち、本編は各杜の解説や祭祀の詳細などに割かれ、一族ごとに伝わる口伝や祭祀法の多様性が示されている。資料編には大島の年中行事や全国の森林信仰に関する論文が掲載されている。報告書は300部作成され、県内の図書館などに寄贈された(福井・福井7/3ほか)。 |