*寺社のキャッシュレス化をめぐる議論

*寺社のキャッシュレス化をめぐる議論

記事年月 2019年4月-6月
号数 83
媒体 国内
大分類 【A-8.その他の宗教関連事象】
国名 日本
トピック
記事タイトル *寺社のキャッシュレス化をめぐる議論
本文テキスト  外国人が訪れる主要な観光スポットで2020年までに「100%のキャッシュレス決済対応」を実現させるという政府の方針を受け、各地の神社仏閣でキャッシュレス化の動きが加速している。
 下鴨神社は5月、お守りなどの授与にクレジットカードや交通系ICカードなど14種類の電子マネーを使えるようにした。キャッシュレス決済は全体の約2割を占めるという。岐阜県高山市の黄金神社も6月5日、県内の神社で初めて賽銭に電子マネー決済を導入。延暦寺や仁和寺もキャッシュレス決済の導入を検討している(京都・京都5/22、日経・東京・プラスワン6/22ほか)。
 こうした動きの一方で、キャッシュレス化の問題も指摘されている。現在、お守りなどの授与は「宗教行為」として非課税になっているが、今後キャッシュレス決済が拡大すれば消費税の支払いを求められる可能性がある。また、信仰に関する個人情報や寺社の動向が外部に漏れることを不安視する声もある。京都仏教会は6月28日、信者の宗教的活動が第三者に把握される懸念や、信者・寺院の行動が外部に知られることで宗教弾圧に利用される可能性があることなどを理由に、法要や拝観などの宗教行為へのキャッシュレス決済導入に反対する声明を発表した。今後は全日本仏教会と連携して全国の寺院に意識の浸透を図る方針だという(京都・京都6/29)。
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