*初代宮内庁長官の昭和天皇「拝謁記」公開

*初代宮内庁長官の昭和天皇「拝謁記」公開

記事年月 2019年7月-9月
号数 84
媒体 国内
大分類 【A-7.皇室】
国名 日本
トピック
記事タイトル *初代宮内庁長官の昭和天皇「拝謁記」公開
本文テキスト  NHKは8月19日、初代宮内庁長官を務めた田島道治氏の遺族から提供された文書の一部をメディアに公開した。公開されたのは「拝謁記」と題された手帳類で、1949年から約5年間にわたる昭和天皇との計613回のやりとりを記録したもの。「拝謁記」によれば、昭和天皇は1952年5月の独立回復式典でのメッセージに「どうしても反省という字をどうしても入れねばと思う」などと述べていたが、吉田茂首相(当時)から反対を受けて「反省」の文言を削除した。こうした出来事があったことは既に知られていたが、詳細なやりとりが判明したのは今回が初めて。また戦前の軍部の暴走を「下剋上」と表現し、「旧軍閥式の再抬頭は絶対にいやだ」とする一方で、東西冷戦の激化を背景に改憲による再軍備をたびたび主張していたことも判明。それに対し田島氏は「政治に天皇は関与されぬ御立場」「それは禁句」と諌めたという(朝日・東京8/20、東京・東京8/20ほか)。
 「拝謁記」の公開を受け、各紙・誌は昭和天皇の人柄や戦争への認識について論じた。戦争への反省や後悔の言葉に注目する報道がある一方で、軍の下剋上を強調していることについて「責任転嫁」との指摘もみられた(赤旗・日曜版9/8)。また、昭和天皇が再軍備を主張していたことについては「君主的な思いを引きず」っており、現在の象徴天皇制に至る過渡期だったという指摘もなされている(東京・東京8/20)。
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