*イスラム教徒を無罪にした判事、法廷で自殺未遂
| 記事年月 | 2019年10月-12月 |
|---|---|
| 号数 | 85 |
| 媒体 | 国外 |
| 大分類 | 【B-2. 東南アジア】 |
| 国名 | タイ |
| トピック | |
| タイトル | *イスラム教徒を無罪にした判事、法廷で自殺未遂 |
| 本文 | 10月4日、マレーシアと国境を接する南部ヤラー県の裁判官が法廷内で自らを拳銃で撃つ事件が発生した。発砲したのは地方裁判所の裁判官で仏教徒のカナコーン・ピアンチャナ氏。殺人罪などで起訴されていた5人のイスラム教徒男性に証拠不十分の無罪を言い渡した同氏は、記者や職員らを法廷から締め出し、金銭で判決が覆る司法制度の問題点やイスラム教徒住民への軍の自白強要の実態などについて1時間ほど語った後、「死刑判決を下せば悪い報いがある」と隠し持っていた拳銃で自分自身に向けて発砲し自殺を図った。カナコーン氏は病院に運び込まれたが、一命を取り止め翌週には退院。事件の背景には仏教国タイの中でもイスラム教徒が多い南部で続くイスラム系分離独立組織と政府の対立があり、カナコーン氏は証拠不十分であるにもかかわらずイスラム教徒の被告らに死刑判決を下すよう上司から圧力をかけられていたという(International New York Times10/17ほか)。 |