*宮内庁長官の「拝察」発言、波紋が広がる
記事年月 | 2021年4月-6月 |
---|---|
号数 | 91 |
媒体 | 国内 |
大分類 | 【A-7.皇室】 |
国名 | 日本 |
トピック | |
タイトル | *宮内庁長官の「拝察」発言、波紋が広がる |
本文 | 天皇陛下が名誉総裁を務める東京オリンピック・パラリンピックについて、宮内庁の西村泰彦長官が、新型コロナウイルスの感染状況を天皇陛下が心配しているとし、「開催が感染拡大につながらないか、ご懸念されていると拝察している」と述べたことが波紋を呼んだ。西村長官が「拝察」を口にしたのは5月24日の定例会見。「拝察」は憲法で政治的発言を禁じられる皇室関係者の意図を慮る表現で、宮内庁関係者によると、世論に影響を与えるような思いを広く伝える際に「側近の拝察」として発信されることがあるという。政府や大会関係者は今回の発言を「長官本人の見解」と火消しに回るが、庁内では開催をめぐり世論を二分する両大会で名誉会長を務める天皇陛下の苦しい立場を擁護したと解釈する声も上がる。憲法学者からは厳しい見方も示される。横田耕一・九州大学名誉教授は「宮内庁長官が政治に絡む天皇の思いを公にするのは、問題で越権行為」、「五輪に反対する人たちが天皇の意見として都合のいいように利用する状況が生まれかねない」と政治利用の恐れに警戒を鳴らす(朝日・東京6/25、読売・東京6/26、東京・東京6/27、毎日・東京6/30ほか)。 |