*教皇とロシア正教トップ会談で失望広がる
記事年月 | 2016年1月-3月 |
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号数 | 70 |
媒体 | 国外 |
大分類 | 【B-6. 東ヨーロッパ】 |
国名 | ウクライナ |
トピック | |
記事タイトル | *教皇とロシア正教トップ会談で失望広がる |
本文テキスト | 2月12日、ロシア正教トップのキリル総主教が教皇フランシスコと会談し、共同宣言に署名したことに対し、2014年のロシアによるクリミア半島併合以来、ロシアとの対立を深めるウクライナでは、バチカンに対する失望や怒りの声が上がっている。ウクライナ正教会は、ロシア正教会への従属を認めるモスクワ総主教庁系教会と、独立を求めるキエフ総主教庁系教会に組織が二分されているが、2015年の世論調査では、モスクワ系への支持は2011年の26%から20%へ低下、キエフ系は31%から44%へ伸長している。キエフ系幹部はロシア正教会と勢力を争うコンスタンティノープル総主教庁に何度も使者を派遣し、独立承認を働きかけているが、今般の共同宣言には「既存の教会法に基づく解決を求む」と独立に否定的な内容が含まれた(日経2/26ほか)。 また、西ウクライナを中心に分布し、反ロシアの気風がさらに強いウクライナ・カトリック(東方典礼カトリック)教会のスビャトスラフ最高大司教は、「バチカンに裏切られた」と激怒。教皇は3月5日、バチカンで同最高大司教と面会し、連帯を表明したが、最高大司教はその後の記者会見で、教皇批判は避けながらも、「戦争・侵略に苦しんでいるウクライナの人々の悲痛を招いた」と述べた。2月28日には、イタリア在住のウクライナ人約500人がローマのサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂前でデモを行い、ロシアによるウクライナへの軍事介入をカトリック教会が黙認したと不満を表明するなどしている(毎日3/20ほか)。 [→キューバ参照] |