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英国の欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票を約1週間後に控えた6月16日、イングランド中部ウェストヨークシャー州のバーストルで労働党のジョー・コックス下院議員が男に銃や刃物で襲われ、死亡した。同議員はシリア支援を掲げる超党派の議員連盟で共同議長を務めるなど難民保護に熱心に取り組んでおり、国民投票に対しても残留を強く訴えていた。逮捕されたトミー・メイア容疑者は過去に米国の白人至上主義団体から出版物を購入しており、EU離脱を呼びかけていたロンドンの極右団体のウェブ雑誌も購読していたとされていることなどから、極右思想との結びつきが疑われている(東京6/18ほか)。 事件を受け、コックス議員の死を追悼する集会が17日に隣町バットレイで開かれた。発案したのはインド系イスラム教徒の団体で、イスラム教徒や英国国教会の牧師ら約500人が出席した。コックス議員の選挙区はキリスト教徒やイスラム教徒などが共生する地域で、同議員も宗教間の融和に尽力していたという。一方でイスラム教徒の住民が多いこの地域では移民排斥やモスクの建設反対を掲げる極右政党も活動しており、2016年1月には近隣で約100人から成るデモが行われていた(朝日6/19ほか)。 |