*大司教、麻薬戦争で価値観荒廃を懸念
| 記事年月 | 2016年10月-12月 |
|---|---|
| 号数 | 73 |
| 媒体 | 国外 |
| 大分類 | 【B-2. 東南アジア】 |
| 国名 | フィリピン |
| トピック | |
| 記事タイトル | *大司教、麻薬戦争で価値観荒廃を懸念 |
| 本文テキスト | 10月2日、リンガイェン・ダグパン教区のソクラテス・ビイェガス大司教はメッセージを発表し、政府主導の麻薬犯罪対策で多くの密売人や依存症者が殺害されていることへの深い憂慮を示した。大司教によると、信仰心と他者への共感を価値としてきたフィリピン文化は「いまだかつて聞いたこともないののしりの言葉や仕組まれたうそ、下品さ」に蝕まれつつあるとし、同国の指導者が提示する暴力的な価値観が次世代に引き継がれてしまうことへの危惧を表明した(カトリック10/16)。犯罪撲滅を公約として成立したドゥテルテ政権下の麻薬犯罪の取り締まりでは、2016年6月の大統領就任以来すでに3千を超す人々が警察や自警団によって殺害されたと伝えられる。大統領は9月30日の演説で自らをヒトラーになぞらえ、さらに数百万の麻薬中毒者を虐殺すると言明。これを問題視した世界ユダヤ人会議などが批判の声明を発表したのに対して、大統領はホロコーストで亡くなったユダヤ人を侮辱するつもりはないと謝罪した一方、自身の麻薬政策を批判するEUや人権団体に対しては「ふざけるな」とののしった(東京10/1ほか)。 |