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連載レポート「ペット供養の最前線」の最終回。「ペットは往生・成仏できるのか」を6仏教宗派の見解から考える。 浄土宗では3月の定期宗議会で浄土宗総合研究所の藤本淨彦所長が『往生浄土用心』の一節を引いて人間界などに生まれてからでなくても往生できると答えた。ところが9月の浄土宗総合学術大会では、知恩院浄土宗学研究所の安達俊英嘱託研究員が、ペットは一生を終えた時点での往生はできないとの見解を述べ、宗派内でも議論が分かれる。 高野山真言宗の布教研究所は、弘法大師の即身成仏思想を前提に、ペットの即身成仏を認めることができると仏教タイムス紙に回答した。真言宗智山派の智山伝法院も、弘法大師が畜生趣は大日如来であるとも説いているため、ペットの成仏も可能と言えると回答。臨済宗妙心寺派は、ペットは修行を積めないので自力救済は難しいが、他方で嘘や悪口も言わないから浄土に近い存在かもしれないと回答した。浄土真宗本願寺派の総合研究所は、阿弥陀仏の願意からすればペットの往生が除外される理由はないと回答した。真宗大谷派の教学研究所は、『教行信証』の一節「飛びまわる虫や地をはう虫の類まで、みな私の国に生まれさせるであろう」に依拠し、往生できると回答した(27日付。中外日報7日付に関連記事)。 |