*広がる「牛」をめぐる対立
記事年月 | 2017年4月-6月 |
---|---|
号数 | 75 |
媒体 | 国外 |
大分類 | 【B-3. 南アジア】 |
国名 | インド |
トピック | |
記事タイトル | *広がる「牛」をめぐる対立 |
本文テキスト | ヒンドゥー教において崇拝の対象とされる牛をめぐり、保護を主張する一部のヒンドゥー教徒と、牛肉産業に携わるイスラム教徒の対立が目立っている。4月1日、西部ラージャスターン州で、牛を運搬中のトラック運転手らが「自警団」と名乗るヒンドゥー教徒から暴行を受ける事件が発生した。基本的に食用となるのは水牛であるため、ヒンドゥー教徒の崇拝の対象であるコブ牛とは種類が異なる。しかし種類にかかわらず牛の保護を名目にイスラム教徒を狙う事件がモディ政権発足以降増加。過去2年で少なくとも10人が殺害されたという(朝日4/24ほか)。また5月26日インド連邦政府は、食肉処理を目的とした牛の売買を禁止する法令を出し、モディ政権後初めて牛肉をめぐる規制に乗り出した。これを受け牛の食肉産業が盛んな州を中心に抗議活動が拡大。南部タミルナードゥ州では、食への選択権の侵害だとの抗議を受けた裁判所が、法令の審議を4週間保留した。また東部の西ベンガル州の首相が政府を提訴する姿勢を示すなど、法令の施行をめぐり波紋を呼んでいる(産経5/31)。 |