*人権活動家の劉暁波(リウシャオポー)氏が死去

*人権活動家の劉暁波(リウシャオポー)氏が死去

記事年月 2017年7月-9月
号数 76
媒体 国外
大分類 【B-1. 東アジア・太平洋地域】
国名 中国
トピック  
記事タイトル *人権活動家の劉暁波(リウシャオポー)氏が死去
本文テキスト  7月13日、遼寧省瀋陽市の司法局は、民主化を訴えて投獄されたままノーベル平和賞を受賞した、人権活動家で作家の劉暁波氏(61)が入院先の病院で多臓器不全のため死去したと発表した。6月に末期の肝臓がんと判明し、刑務所外の同市の病院で治療を受けていた(朝日7/14)。香港の人権団体などによると、中国当局は劉氏の死去直後、遺体の冷凍保存を希望している遺族に対し、すぐに火葬し、遺灰を海にまく「海葬」を行うよう求めたという。遺体を墓地などに埋葬すれば民主化運動の「聖地」となることを当局が警戒している可能性がある。劉氏の遺体は当局の監視下で、15日に瀋陽市の葬儀場で火葬され、大連市沖で散骨された(毎日7/16ほか)。
    劉氏が死去したことを受け、国内外で劉氏の国外での治療を拒否した中国当局の対応に批判や真相究明を求める声が上がった。13日夜から14日にかけては当局の厳しい情報統制にもかかわらず、SNS上で「中国の良心が死んだ」などと劉氏を追悼する動きも広がった(朝日7/15ほか)。また、13日の夜には香港にある中国政府の出先機関の建物前で追悼集会が開かれ、参加者は白い花を劉氏の写真の前に供え、冥福を祈った。中国外務省は、各国の首脳らが劉氏の活動をたたえ、追悼の意を表明していることに反発し、14日に「外国は劉氏を利用して中国の内政に干渉してはならない」と談話を発表した(東京7/14ほか)。
    初七日を迎えた19日夜、香港中心部の公園で誰も座らない「無人の椅子」(獄中にいたため劉氏が出席できなかったノーベル賞受賞式をイメージしたもの)を置いて劉氏を追悼する行事に民主派の市民ら約1,500人が集まり、献花した(朝日7/20)。同日、広東省の民主活動家らが海辺で追悼し、写真をツイッターに投稿したところ、社会秩序を乱した容疑で5人が拘束されたと香港紙『蘋果日報』が報じた(毎日7/28ほか)。
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