*エルドアン大統領再選、揺らぐ政教分離

*エルドアン大統領再選、揺らぐ政教分離

記事年月 2018年4月-6月
号数 79
媒体 国外
大分類 【B-4. 中東・西アジア】
国名 トルコ
トピック
記事タイトル *エルドアン大統領再選、揺らぐ政教分離
本文テキスト  6月24日、トルコの大統領選挙と議会選挙が行われ、与党「公正発展党(AKP)」党首で現職のエルドアン大統領が約53%の得票数で再選を果たした。対立候補の「共和人民党(CHP)」党首インジェ氏は約31%を獲得。議会選ではAKPが約42.5%、連携する右派の「民族主義者行動党(MHP)」が約11%を得票し、合わせて過半数の議席を獲得した。2017年4月の憲法改正により大統領に実権が集中する政治体制に移行したため、今後大統領は国会解散権など広範な権限を握る。トルコは国民の99%をイスラム教徒が占めるが、建国以来厳格な政教分離に基づく世俗主義を国是としてきた。しかしエルドアン大統領は、公的機関でのスカーフ着用の段階的な解禁や公立学校におけるイスラム教育の重視、モスク建設の推進などイスラム色を強める政策を進め、保守派やナショナリストの支持を集めてきた。世俗派からは「エルドアン氏はイスラムを政治利用してAKP勢力の拡大に使った」との批判もあり、社会の分断の深刻化が懸念される(朝日・夕6/25ほか)。
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