*シベリア抑留者の遺骨に日本人以外の骨

*シベリア抑留者の遺骨に日本人以外の骨

記事年月 2019年7月-9月
号数 84
媒体 国内
大分類 【A-3.習俗・慰霊】
国名 日本
トピック  
記事タイトル *シベリア抑留者の遺骨に日本人以外の骨
本文テキスト  国のシベリア抑留者の遺骨収集で、16人分の遺骨が日本人のものではない可能性が高いというDNA鑑定の結果を1年前から把握していたにもかかわらず、厚生労働省が公表していなかったことが、7月29日、明らかになった。
    問題となっている遺骨は2014年に厚労省の派遣団が持ち帰ったもので、ロシア側から日本人拘留者の埋葬地とされる場所の地図と名簿を受け取り、シベリアのザバイカル地方で現地の専門家と収容したもの。日本側の鑑定人は同行していなかった。2018年8月に「16人はすべて日本人ではない可能性が高い」との調査結果が出ていたものの、事務方は2019年7月29日にNHKが報じるまで根本匠厚労相に報告せず、公表もしなかった。また、遺骨の鑑定も2016年3月、収容から約1年半後という遅さで行われたことも問題視されている(朝日・東京7/30、7/31)。根本厚労相は8月8日の閣議後記者会見で、今後1ヶ月で検証対象を決め、ロシア側が了承すれば検証結果を9月以降に順次公表する考えを示した(読売・東京・夕8/8)。
    8月15日には、2000年に収容された70人分の遺骨も日本人ではない可能性があることが報じられた。今回指摘される遺骨も、2017年12月に専門家が日本人ではない可能性を厚労省に報告したとされている(朝日・東京8/15)。さらに9月18日には、厚労省の内部検証の結果、日本人以外の可能性が高いとされる遺骨が新たに581柱判明したと報じられた。最も古いケースでは、2005年には専門家から取り違いの疑いが指摘されていたが、同省は公表もロシア側への連絡も怠っていたとされる(読売・東京9/19)。
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