*大統領選挙と宗教対立の争点化
| 記事年月 | 2019年10月-12月 |
|---|---|
| 号数 | 85 |
| 媒体 | 国外 |
| 大分類 | 【B-3. 南アジア】 |
| 国名 | スリランカ |
| トピック | |
| タイトル | *大統領選挙と宗教対立の争点化 |
| 本文 | 11月16日、大統領選が投開票された。元国防次官のゴタバヤ・ラジャパクサ氏(70)と、サジット・プレマダサ住宅建設・文化相(52)の事実上の一騎打ちとなった今回の選挙の焦点には、2009年に終結したものの今も残るとされる内戦の爪痕や民族間のしこり、また2019年4月に発生した連続爆破テロを受けての治安対策などが挙げられていた。翌17日に選挙結果が発表され、ラジャパクサ氏が新たな大統領として選出された(毎日11/18ほか)。21日には、ラジャパクサ大統領が自身の兄であり、2009年に内戦を終結させた実績を持つ親中派の元大統領マヒンダ・ラジャパクサ氏を首相に任命した。なお、プレマダサ氏はヒンドゥー教徒が多いタミル人や2019年4月の爆破テロを機に差別的な扱いを受けることが増えたイスラム教徒との融和を掲げていた一方、内戦中に国務次官としてタミル人の殺害に関与した疑いのあるラジャパクサ氏に対しては「シンハラ至上主義者」だとして少数派のタミル人やイスラム教徒が警戒しており、現地では、新政権のもと中国依存の強権政治が復活することを懸念する声も出ている(朝日11/22ほか)。 |