*竹富町公民教科書、有志支援で配布へ

*竹富町公民教科書、有志支援で配布へ

記事年月 2012年1月-3月
号数 54
媒体 国内
大分類 【A-6.政治と宗教】
国名 日本
トピック その他
記事タイトル *竹富町公民教科書、有志支援で配布へ
本文テキスト  沖縄県八重山地区(石垣市、与那国町、竹富町)で「新しい歴史教科書をつくる会」の元メンバーらが作成した育鵬社版の公民教科書が選定されたことを受け、竹富町教育委員会が反発していた問題をめぐり、竹富町教委は2月22日、4月から町内の中学校で使用する東京書籍版の公民教科書22冊分の費用約1万6千円を、町予算から支出せず民間に援助してもらうことを決めた。義務教育の教科書代を民間に頼るのは異例だが、一連の問題で暫定的な決着が図られたかたち。
 この問題の発端は、八重山地区で使用する教科書を決める「地区協議会」が2011年8月、育鵬社版の公民教科書を選定したことにある。育鵬社版は従来の教科書記述を「自虐史観」と考える「つくる会」の元メンバーらによる「教科書 改善の会」が編集・執筆。同会の設立趣意書は「不毛な戦後イデオロギーから子供たちを解き放」つとしている。こうした同会の教科書に対し、竹富町教委は「歴史観などに問題がある」とし、東京書籍版を独自に選定したと主張。「教科書無償措置法」は地区協議会の選定による教科書を使用するよう定めているが、「地方教育行政法」は各自治体の教委にその権限があるとする。このことから、同年9月に3市町の教育委員で再協議した結果、東京書籍版が選ばれた。しかし今度は石垣市と与那国町の教育長が再協議の採決は無効であると反発。事態は平行線をたどったが、国は再協議の採択を無効とし、竹富町を「無償給与の対象外」としていた(琉球新報・那覇2/23、沖縄タイムス・那覇2/23、朝日・東京2/23・3/4ほか)。
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