*若者のデモが拡大、矛先は政権のほかに王室にも

*若者のデモが拡大、矛先は政権のほかに王室にも

記事年月 2020年7月ー9月
号数 88
媒体 国外
大分類 【B-2. 東南アジア】
国名 タイ
トピック
タイトル *若者のデモが拡大、矛先は政権のほかに王室にも
本文  2014年の軍事クーデターの流れをくむかたちで誕生したプラユット政権に対する若者を中心としたデモや集会がタイで広がりを見せている。こうした反政府活動は、政治への軍の関与に反対する野党が2020年2月に解党させられたことに端を発しており、デモの参加者は、軍出身のプラユット首相を軍の影響力を背景とした独裁政権であるとして批判するとともに、軍の政治介入が可能となる現行の憲法の改正などを要求している。また、デモ活動が拡大するにつれて批判の矛先は、政財界といった既得権益層への優遇や縮まらぬ経済格差の問題、加えて、タイ王室にも向けられている。
8月10日に現地の名門タマサート大学で開かれた政府への抗議集会では、数千人の学生が集まるなか、リーダーの一人が「王室を巡る表現の自由の容認」や「不敬罪の撤廃」、「王室予算の見直し」といった従来はタブーとされてきた王室を巡る議論を公然と訴えた(東京・夕8/24ほか)。さらに、首都バンコクの王宮前広場で9月19~20日にかけて開かれた集会では、2014年の軍事クーデター以降では最大となる約5万人が参集したことから、プラユット政権の退陣や王室改革を掲げる若者を中心とした集会やデモ活動を巡って現地社会では緊張感が高まっている(朝日9/21ほか)。
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