*アゼルバイジャンとのナゴルノカラバフをめぐる紛争 宗教対立も一因
| 記事年月 | 2020年10月-12月 |
|---|---|
| 号数 | 89 |
| 媒体 | 国外 |
| 大分類 | 【B-4.中東・西アジア】 |
| 国名 | アルメニア |
| トピック | |
| タイトル | *アゼルバイジャンとのナゴルノカラバフをめぐる紛争 宗教対立も一因 |
| 本文 | 9月27日、アルメニアとアゼルバイジャンの係争地ナゴルノカラバフで、1994年の停戦合意以降最大規模となる戦闘が行われた。アゼルバイジャン軍は総勢13万人とされ、アルメニア側の6万5千人(推定)を大きく上回っており、戦闘には弾道ミサイルや無人機も投入された。この戦闘以後、停戦合意と戦闘再開が繰り返され約5千人の死者を出していたが、11月10日、ロシアの仲介でアルメニアとアゼルバイジャンの両首脳が完全停戦に合意した。この合意によって、アルメニアが実効支配していたナゴルノカラバフの要衝シュシャなどの複数地域がアゼルバイジャンに返還されることとなり、アルメニアは事実上の敗北となった。しかし、ナゴルノカラバフ全域の帰属問題は先送りにされており、本質的な紛争解決には至っていない(産経11/12ほか)。 今回の戦闘では、イスラム教徒が多数派のアゼルバイジャンを、言語・宗教的に近く歴史的な結び付きも強いトルコが積極的に支援したとされる。他方、キリスト教徒が多数派のアルメニアの後ろ盾になっているロシアは、トルコとの衝突も憂慮し、軍事介入には慎重な姿勢を見せた。アルメニアとアゼルバイジャン間の根深い歴史的・宗教的・民族的対立に加え、ロシアやトルコなど近隣関係国の利害も絡んでおり、問題の根本的な解決は困難となっている(日経10/8ほか)。 |