*ムスリム墓地整備計画をめぐる混乱
記事年月 | 2020年10月-12月 |
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号数 | 89 |
媒体 | 国内 |
大分類 | 【A-8.その他の宗教関連事象】 |
国名 | 日本 |
トピック | イスラム教 |
タイトル | *ムスリム墓地整備計画をめぐる混乱 |
本文 | 大分県日出(ひじ)町南畑地区にイスラム教徒(ムスリム)の土葬墓地の整備計画を進める同県別府市の宗教法人「別府ムスリム協会」は12月2日、早期設置許可を求める文書と、町民203人を含む国内外の賛同者2,028人分の署名を町に提出した(大分合同・大分12/3、朝日・北九州12/3)。ムスリム墓地整備計画をめぐっては、水質汚染の懸念などを理由に地元住民から反対運動が起こっており、8月には周辺2地区の住人ら100人余りの署名を添えた反対陳情書が町と町議会に提出されていた。町議会は12月4日、墓地建設反対陳情を15人中14人の賛成多数で採決。22日には南端全5区の住民170人の署名を添えた陳情書も議会で採択された。なお、墓地設置の許可権限は町にあるため、採択に実効力はない。本田博文町長は法令に基づき住民に説明できるよう判断したいとするが、対応を決める時期などは明言していない(大分合同・大分11/28、12/5)。 墓地予定地は2018年12月に別府ムスリム協会が九州初のムスリム墓地用として購入した約8千平方mの土地。住宅や田畑のある集落からは約3km離れた山間部にあり、キリスト教徒向けの土葬できる墓地にも隣接していることから協会側は適地と判断したという。日出町の条例も土葬を禁じておらず、法令上の問題はない。町も公衆衛生面の問題はないとするが、異なる宗教への不安が住人らの反発の背景にあるのではないかと報じられている(毎日・東京10/25、読売・大分12/24)。 [→『ラーク便り』88号33頁参照] |