*国が出生前診断への関与を強化

*国が出生前診断への関与を強化

記事年月 2021年1月-3月
号数 90
媒体 国内
大分類 【A-8.その他の宗教関連事象】
国名 日本
トピック
タイトル *国が出生前診断への関与を強化
本文  厚生労働省は3月17日までに妊婦の血液から胎児の染色体異常を調べる「新型出生前診断(NIPT)」などの情報提供体制を国が強化する方針を立て続けに明らかにした。3月8日、同省は2021年度から診断を受けるかどうか悩む妊婦や家族をサポートする相談体制の整備に乗り出すことを決めた(産経・東京3/8)。3月14日には実施施設のあり方の基本方針を策定した上でその認証に関わる案を明らかにし、17日の同省専門委員会で概ね合意を得た。国が診断に関与するのは異例のこと。一連の方針転換には国の影響力を強めることで問題化していた従来の指針に従わない認定外施設の増加を抑制し、認定施設への信頼を高めるねらいがあるとされる(毎日・東京3/14、朝日・東京3/18ほか)。
 また同省と委員会は出生前検査の情報を全ての妊婦を対象にリーフレット等で提供する方針を示した。1999年に示された「積極的に知らせる必要はない」という見解からの約20年ぶりの転換となる(読売・東京3/16、毎日・東京3/18)。しかし、新型出生前診断は「命の選別」に関わる重い倫理的問題をはらんでおり、異常を理由とした中絶を認めていない母体保護法の尊重を訴える論などが浮上している(産経・東京3/30)。また全妊婦への情報提供に関しては3月29日、当事者や家族に対する差別を助長しないように十分な配慮を求める要望書が日本ダウン症協会から同委員会に対して提出された(毎日・東京・夕3/30)。
『ラーク便り』データベースの検索ページに戻る