*ハリリ氏による組閣断念、政治空白が続き宗派主義政治に陰り
記事年月 | 2021年7月-9月 |
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号数 | 92 |
媒体 | 国外 |
大分類 | 【B-4. 中東・西アジア】 |
国名 | レバノン |
トピック | |
タイトル | *ハリリ氏による組閣断念、政治空白が続き宗派主義政治に陰り |
本文 | 2020年10月に首相に指名されていたハリリ元首相が7月15日、自身による組閣を断念し、首相指名を辞退することを発表した。ハリリ氏は14日に組閣案をアウン大統領に提示していたが、「組閣案は宗派主義にのっとっていない」として拒否されていた。レバノンの政治は、大統領はキリスト教マロン派、国会議長はイスラム教シーア派、首相はイスラム教スンニ派から選出する「宗派主義」に基づく。2020年8月に首都ベイルートの港で起きた大規模爆発を受け当時のディアブ内閣が引責辞任して以降、閣僚ポストをめぐった各宗派間の争いが続き、政治的な空白期間は1年に及んでいる(朝日7/18ほか)。 この政治的空白は、大規模爆発後の経済不況の長期化にも拍車をかけている。食品や日用品はここ2年で「5~20倍」に高騰したとされ、電力供給もままならない状況が続く。大規模爆発から1年となる8月4日には、爆発現場周辺に遺族など数千人が集う追悼集会が行われ、犠牲者に祈りを捧げるとともに、爆発の原因究明や国の統治システムの刷新が要求された。一方同日、議会周辺では反政府デモ隊の一部が治安部隊と衝突し、70人以上が負傷した(読売8/5ほか)。 |