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東方正教会の信徒が国民の9 割を占めるルーマニアで、コロナワクチンの接種が難航している。接種率は12 月にやっと40%に届いたが、EU では27%のブルガリアに次いで低い。ルーマニアの人口は約1,900 万人だが、10月には1 日の新規感染者数が1 万8 千人に達し、11 月には累計死者数が5 万人を超えた。政府が10 月以降、屋外でのマスクの着用義務化、ワクチン未接種者の飲食店入店禁止などの措置をとったことで、12 月には1 日の新規感染者数は2 千人未満に減少した。米ジョンズ・ホプキンス大学の統計によると、10 万人あたりの感染死者数はブルガリアが世界2位でルーマニアが10 位。上位10 ヶ国のうち6 ヶ国を東方正教会信徒の多い国が占めている。ルーマニア正教会はワクチンを公式に否定していないが、大都市コンスタンツァの大主教は「毎日お祈りする人は救われる。ワクチン接種は勧めない」と公言する。ブカレスト郊外のルーマニア正教会で行われた12 月19 日の日曜礼拝では、200 人近くの信徒らのうち4 割ほどはマスクを外しており、同じスプーンでワインを飲みまわす儀式などがなされていた。信徒らは「神が守ってくれるからワクチンは接種しない。ワクチンには『悪魔』が入っている」「教会は最も安全な場所だから大丈夫」などと語ったという(読売12/26)。 |