*教会聖職者による児童の性的虐待に関する報告書が提出される
記事年月 | 2021年10-12月 |
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号数 | 93 |
媒体 | 国外 |
大分類 | 【B-7.西ヨーロッパ】 |
国名 | フランス |
トピック | |
タイトル | *教会聖職者による児童の性的虐待に関する報告書が提出される |
本文 | 10月5日、フランスのカトリック教会の聖職者による未成年者らへの性的虐待の実態をまとめた報告書が提出された。報告書によると、同国では1950年以降、少なくとも約3千人の聖職者が虐待に関与し、被害者の総数は推計21万6千人にのぼる。被害者の8割は少年で、大半は10~13歳の頃に被害を受けており、カトリック系学校やボーイスカウト活動など、教会外での活動を含めれば、被害者の総数は33万人にまで膨れ上がるという。 同国では2015年に被害者団体が結成されて以降、カトリック聖職者に対する告発が相次ぎ、同国のカトリック教会は2018年に独立調査委員会の設置を決めた。調査委は記者会見で「カトリック教会内には被害を把握しても組織的に隠蔽する体制が構築され、被害者に無関心だったり、残酷な態度を取っていた」と指摘。被害者への補償を求めた。フランス司教協議会の代表は「恥と恐怖を感じる」と述べて被害者に謝罪した(東京10/6ほか)(カトリック10/24)。 報告書の提出を受けて、フランスのカトリック教会は11月8日、教会の不動産や資産を売却して被害者らへの補償に充てることを決めた(毎日11/11ほか)。また同日、フランスのカトリック司教協議会は、ルルドで開かれた秋の総会で、性的虐待の撲滅に向けた新しい措置を採択。性的虐待の認定と補償を担当する独立機関、全国レベルの教会法刑事裁判所、被害者支援に向けた外部監査機関などの設置を決めた。さらに、聖職者などが未成年に関わる仕事に就く際には「犯罪歴の確認」が義務付けられることになった(カトリック11/28ほか)。 |