*統一地方選でイスラム系与党が劣勢

*統一地方選でイスラム系与党が劣勢

記事年月 2019年4月-6月
号数 83
媒体 国外
大分類 【B-4. 中東・西アジア】
国名 トルコ
トピック
記事タイトル *統一地方選でイスラム系与党が劣勢
本文テキスト  3月31日に統一地方選挙の投開票が行われた。全体の得票率は、イスラム教の伝統を重視するエルドアン大統領主導の「公正発展党(AKP)」など与党連合が51.7%、世俗派の「共和人民党(CHP)」など野党連合が37.5%で、翌日エルドアン氏は勝利宣言を行った。しかし首都アンカラの市長選ではAKP候補が3.8ポイント差で敗れ、イスタンブール市長選でもAKPのユルドゥルム元首相がCHPの新人候補イマモール氏に接戦の末敗れた。低調な経済や政権の強権姿勢に対する有権者の不満などから、今回の選挙では都市部での与党敗北が目立ち、今後の国政運営にも影響を与えるとみられる。選挙前の各地の演説集会でエルドアン氏は3月15日に起きたニュージーランドのモスク銃乱射事件の映像を流し、「(トルコに戦いを挑む者は)棺おけに入れて送り返す」などと述べて支持基盤のイスラム保守層にアピールしていた(日経4/2ほか)。
大統領側は「選挙に不正があった」として選挙結果に異議を申し立て、イスタンブール市長選のやり直しを行わせたが、6月23日の再選挙の結果では、イマモール氏がやり直し前よりも差を広げてユルドゥルム元首相に勝利し、有権者の政権への不信感を印象づけた(朝日6/25ほか)。
[→ラーク便り75号52頁参照
[→ラーク便り82号小特集参照
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