*シリア政府軍、古代遺跡の地パルミラを奪還
記事年月 | 2016年1月-3月 |
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号数 | 70 |
媒体 | 国外 |
大分類 | 【B-4. 中東・西アジア】 |
国名 | シリア |
トピック | |
記事タイトル | *シリア政府軍、古代遺跡の地パルミラを奪還 |
本文テキスト | シリア政府軍は3月27日、「イスラム国(IS)」が実効支配するパルミラ全域の奪還に成功した。同地は、首都ダマスカスなど政権側支配地域とIS支配下の東部デリゾールの中間地点にあたり、アサド政権はシリア中央部からイラク国境地域までを支配下に取り戻した。また、ISが「首都」と位置づける北部ラッカの攻略拠点を得たことになる(毎日・夕3/25、朝日3/28ほか)。 パルミラは、古代ローマ時代に隊商貿易の中継地として栄え、ユネスコの世界文化遺産登録を受けた遺跡が多く残っている。2015年5月にパルミラを制圧したISは、多神教時代の遺跡群が「イスラム教に反する」という独自の解釈に基づき、ベル神殿、ライオンの像など多くの遺跡を破壊してきた。同国文化省のアブドルカリム文化財・博物館局長によると、爆破されたベル神殿とバール・シャミン神殿の破壊がひどい一方で、ローマ時代に建築された円形劇場など他の遺跡の損傷はわずかだという。しかし修復には5年かかるとの見方で、ユネスコの同意を得た上で修復を急ぎたい考え(朝日3/29ほか)。 [→『ラーク便り』68号44頁参照] |