*興正寺問題、「和解」後も混乱続く

*興正寺問題、「和解」後も混乱続く

記事年月 2018年7月-9月
号数 80
媒体 専門紙
大分類 7月
国名 日本
トピック 仏教タイムス
記事タイトル *興正寺問題、「和解」後も混乱続く
本文テキスト  5月に元住職側と裁判外での「和解」が成立した高野山真言宗別格本山・八事山興正寺(名古屋市)の問題で、6月28日に責任役員会が同寺で開かれ、宗派からの貸付金5億6千万円を7月末日までに返済することが承認された。同貸付金は係争中に同寺の預金口座などが差し押さえられたことで納税の義務を果たせない事態となったのを助けるために拠出されたもの(5日付)。
    その後、同寺の責任役員会の3氏全員が、問題の収束にあたってきた添田隆昭・特任住職(同宗宗務総長)の「解任要望書」を宗派に提出したと報じられた。責任役員会の同意を得ずに、元住職側と裁判外で「和解」したことなどが理由とみられる(12日付)。
    7月27日、大阪市内に宗派の司法機関・審査委員会が召集され、解任要望自体は「興正寺に損害を与えたとは言えない」として棄却された模様。ただし、同一人物が宗務総長と特任住職を兼職することで生じる「利益相反」状態を解消するために特任住職辞任という結論になり、8月1日付で辞任となった。宗派は同寺の運営から手を引くこととなり、自力での再建という道となった(8月2日付、9日付)。
    17日、責任役員会にて、西部法照氏が新住職に選出された。同氏は添田特任住職の名代である特別臨時職・主監として6月1日に入寺したばかりだった(8月16日・23日合併号)。
    前後して16日付で、元住職時代の同寺と業務委託契約を結んだ会社により、同寺の銀行預金約8億円が再び差し押さえられたことがわかり、宗派の手を離れた状態で、混乱が続いている(8月30日付。9月13日付、20日付、中外日報9月14日付、19日付にも関連記事)。
[→『ラーク便り』79号13頁参照
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