*国王が親近感をアピールするも、王室改革デモ止まず

*国王が親近感をアピールするも、王室改革デモ止まず

記事年月 2020年10月-12月
号数 89
媒体 国外
大分類 【B-2.東南アジア】
国名 タイ
トピック
タイトル *国王が親近感をアピールするも、王室改革デモ止まず
本文  7月以降、軍政の産物である憲法の改正、王室の政治不介入、不敬罪の廃止などを求める若者たちの反政府デモが続く中、王室のイメージ回復に努めるワチラロンコン国王は、12月5日、故プミポン前国王の誕生日行事に参加した。式典に集まった王室支持派の市民の前で「国の発展の礎を築いた」として前国王の功績を語り、写真撮影やサインに笑顔で応じて親近感をアピールした。普段はドイツの別荘で過ごすことが多い国王だが、デモが続く10月以降も国内に滞在し続けた。デモを収束させたい政府は10月15日に非常事態を宣言。5人以上の集会を禁じたが、22日には解除した。
11月に入って国会はデモ参加者が求める憲法改正の議論を再開したが、改憲に向けての与野党の会議設置案が可決されたのみで、王室関係の条文変更は議論されない見通し。以後も続くデモでは、若者たちがステージ上で「国家予算が国王のプロパガンダにあてられている」「国王による軍の私物化」などと国王を直接的に批判した。ある外交関係者は「若者が堂々と王室批判を展開する姿は信じがたかった」と語っている(毎日12/28ほか)。
[→『ラーク便り』88号43頁参照
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